進化するミッドレイヤーと自分にとっての最適解

宮城蔵王を中心に活動するTETON BROS.アンバサダーの半田譲さん。今回のコラムでは、現場のフィードバックを基に進化し続けるTETON BROS.のミッドレイヤーの選び方とその快適性について、半田さんに教えていただきました。

 

 

アップデートし続ける “最適”のかたち

今回はレイヤリング、特にミッドレイヤーについてのインプレッションです。

これまで何度かレイヤリングについてのインプレッションを行なっていますが、ここ数年、毎年のように生地や繊維、そしてその組み合わせの進化を感じます。

数年前まで自分にとってベストだったものが、毎年更新されています。東京の本社に年に1度は伺うのですが、その際、TETON BROS.ファウンダーのノリさんと繊維業者の方や生地業者の方の打合せに鉢合わせすることも少なくありません。僕は横で話を聞いているだけですが、多めに見積もっても話の半分も理解できません。ノリさんの知識量はもちろん、新しい物に対してのアンテナにはいつも驚かされます。

毎年2月にはチームミーティングのような撮影やフィールドテストを福島の檜枝岐村で行っています。他のライダーも集合するので、自分以外のレイヤリングを知り、情報交換する場としても非常に意義があると思います。ちょうど次年度の商品を発注するタイミングでもあるので、自分には無い他のライダーのレイヤリングを取り入れることも少なくありません。

 

そういった経緯があり、僕のレイヤリング、特にファーストからミッドレイヤーが変わってきています。

以前はミッドレイヤーと言えば、スタイリッシュな見た目と保温力、強度があるFarallon Shirtでした。

BCで運動負荷が強かったり、天候が悪くてもシェルを脱ぐようなシチュエーションではSlick Hoodyを使用することが多かった気がします。 

 

自分に合ったレイヤリングとは

しかしながら、ここ最近はSub Hoodyをミッドレイヤーとして使うことが多くなりました。

一番の理由は、僕が活動する蔵王特有の風の強さと過冷却水問題です。空気中に含まれる水分が0度以下でも凍らないまま存在する状態で、何かにぶつかった瞬間にその衝撃で凍るという現象で、これによって蔵王のシンボルである樹氷はできるわけですが、これは人に対しても一緒で、降雪時でなくても人が樹氷化していくわけです。

このような状況下ではある程度の耐水性や強度が必要です。シェルを着ていれば問題ないですが、ルートによっては長時間のハイクや急登など脱ぎたいシチュエーションも出てきます。そんな時に重宝するのがSub Hoodyです。

 厳密にいうと、厳冬期にはSub Hoody3月くらいからはSlick Hoodyという感じで使い分けています。

理由はSub Hoodyの方がSlick Hoodyに比べて若干厚手のソフトシェル生地を使っているので、厳冬期の吹雪などに強い点が挙げられます。フードがしっかりしているのも良い点です。

逆に、気温が上がってきて天候も落ち着いてくる3月以降は、より抜けが良いSlick Hoodyが重宝します。ここで一点お知らせしておきたいのは、以前はいずれの場合もミッドレイヤーの下はMOB Woolだけだったことです。ところが最近、年齢とともに元々暑がりだったことに加えて寒がりになり、MOB Woolだけでは心許ない状態でした。

ここで救いになったのはHoback Suitです。

 

スーツ型ミッドレイヤー「Hoback Suit」という新たな選択

 恥ずかしい話、その見た目もあって自分にとって、Hoback Suitは完全にノーマークの製品でした。しかし、旧友であり、カメラマンのオータマンの勧めで着てみると、その姿形とは裏腹に、その快適性になんでもっと早く使用しなかったのだろうという後悔の念が浮かんできました。

特に下半身部分の保温力と通気性の絶妙なバランスはこれまで使用していたHoback Knee Pantでは感じられなかった感覚でした。(逆にHoback Knee Pant はより暖かさが求められるシチュエーションでは変わらず活躍しています。)

上半身部分のOctaGraphene Grid Fleeceのマッピングが抜けの良さと保温力を絶妙なバランスで保っています。そしてそれをツナギにすることで、腰回りの動きやすさやダブつきなどのストレスの無さを高めていると感じました。

厳冬期の檜枝岐村でもHoback SuitSub Hoodyのレイヤリング。TB PantHoback Suitのベンチレーションが同じに位置にあり、換気効率を高める仕様。

 Sub HoodySlick HoodyなどのミッドレイヤーとHoback Suit の組み合わせはOcta + OctaOcta素材を2枚重ねる)になりますが、その使い方がアリなのかナシなのか個人的にはわかりませんが、少なくとも僕の場合は、保温性、通気性共に問題なく作用しているという感覚です。

ミッドレイヤーにしてもファーストレイヤーにしても、この数年間で劇的に進化しているように感じます。それは山で行動する上では欠かせない保温性と通気性という相反するものの両立の進化です。

その難しい要求を満たす商品が開発され続けているこのチームで活動できることは本当に嬉しいですね。

 

 

シーズン別のレイヤリングスタイル

【厳冬期ゲレンデレッスンやリフト回しパウダー】

トップス ]
SHELLTB Jacket
MIDSub HoodyもしくはSub JacketもしくはTensleep ShirtもしくはFarallon Shirt
BASEMOB Wool シリーズもしくはMOB Wool Hybrid シリーズHoodyL/Sの選択はシチュエーションに応じて変更)

[ ボトムス ]
SHELLTB Pant
MID Hoback Knee Pant
BASE:運動サポート系のタイツ(他社製品)

 

【厳冬期BC

[ トップス ]
OVER JACKETHPPE Over Hoody
SHELLTB Jacket
MID: Hoback Suitの上に Sub HoodyもしくはSub Jacket
BASEMOB Wool シリーズもしくはMOB Wool Hybrid シリーズHoodyL/Sの選択はシチュエーションに応じて変更)

[ ボトムス ]
SHELLTB Pant
BASE:運動サポート系のタイツ(他社製品)

 

3月以降】

[ トップス ]
SHELLTB JacketもしくはClimatic Jacket 
(完全な春スキーでは、春夏のレインシェルも選択肢に入る)
MIDHoback Suitの上に Slick Hoody
BASE MOB Wool Hybrid シリーズHoodyL/Sの選択はシチュエーションに応じて変更)

[ ボトムス ]
SHELLTB Pant
BASE:運動サポート系のタイツ(他社製品) 

 

この記事を書いた人

半田譲

半田譲

宮城蔵王を中心にアウトドアアクティビティーの企画・運営するZAOC代表。プロスキーヤー、バックカントリーガイド。幼少の頃から蔵王を遊び尽くしている。
記事一覧に戻る