ウェアへの絶対的な信頼
尾瀬の麓、特別豪雪地帯として知られる福島県檜枝岐村を拠点に活動する「尾瀬マウンテンガイド」主宰の浅井理人さん。今回のコラムでは、積雪5メートル・氷点下20度にも達する過酷な厳冬期のバックカントリーを支えるレイヤリングの選択と、極寒のフィールドで培われたウェアへの絶対的な信頼について、浅井さんに語っていただきました。
特別豪雪地帯・檜枝岐の山で培った、迷いなきレイヤリング

ウェアやレイヤリングの選択に迷いや妥協があれば、極寒の山岳地帯でのパフォーマンスは著しく低下します。
「TB JACKET」「TB PANT」、そして「GLACIER HOODY」。 この組み合わせに出会ってから、私のウェア選びの悩みは一切なくなりました。ウェアへの絶対的な信頼があるからこそ、私たちは過酷な雪山を純粋に楽しむことができるのです。
積雪5メートル、氷点下20度の世界──福島県檜枝岐村のフィールド
私の活動拠点である福島県檜枝岐村は、尾瀬の麓、福島県・群馬県・新潟県・栃木県の県境に位置しています。関東のすぐ隣でありながら特別豪雪地帯に指定されており、雪の多い年となれば、平地であっても積雪が3メートルに達します。
さらに、私のメインフィールドであるバックカントリーの舞台──会津駒ヶ岳や燧ヶ岳に入れば、積雪が5メートルを超えることも決して珍しくありません。
厳しいのは積雪量だけではありません。寒さも極めて過酷です。1月や2月は集落であっても最高気温が0℃を下回る「真冬日」が当たり前のように続き、山間部に入れば肌に痛みを覚えるレベルのマイナス20℃以下の極寒が広がります。
このような厳しい自然環境下において、ウェアの選択を誤ることは命取りになりかねません。
暑がりな身体をドライに保つ──MOB Wool と HOBACK SUIT
私は非常に暑がりで、冬場であっても行動中は激しく汗をかきやすい体質です。そのため、厳しい寒さを防ぐ「防寒」と、かいた汗を素早く処理する「汗処理」を高次元で両立させるレイヤリングが不可欠となります。
私のベースを支えるアンダーウェアは、吸水速乾性と保温性に優れた「MOB Wool」。その上にミッドレイヤーとして「HOBACK SUIT」を重ねるのが基本のセットアップです。この強固な土台を作ったうえで、当日の天候や予想される行動量に応じてアウターシェルを使い分けています。

終日荒天の山を制する──TB JACKET & TB PANT
長年にわたり現場からのフィードバックを受けてブラッシュアップを重ねてきたこのフラッグシップは、まさにバックカントリーのために作られた仕様であり、使えば使うほど「痒いところに手が届く」完成度の高さを実感します。

ベンチレーションの絶妙な配置、かじかんだ手でも扱いやすいジッパーの操作性、そして分厚いグローブを付けたままでもストレスなく袖を通せる袖口の設計。極寒状態にあっても一切のストレスを感じさせません。

特に驚かされるのが、TB PANTのビブ構造です。一般的にビブパンツはトイレの際に着脱が不便なものですが、TB PANTはウエストをぐるりと一周するジッパーを備えており、慣れてしまえば片手で素早く外すことができます。一度この利便性を体感すると、その快適さに誰もが驚くはずです。
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ラッセルからそのままドロップインへ──GLACIER HOODY
一方、天候が落ち着いている日や、行動量が多く大量の発汗が予想されるシチュエーションでは、「GLACIER HOODY」の出番となります。
厚手の生地を採用した非常にタフなソフトシェルでありながら、優れたストレッチ性を備えており、ハイクアップ時にも肩周りの動きを一切妨げることがありません。

特に秀逸なのが、そのベンチレーション機能です。バックパックを背負った状態で前傾姿勢になりながら登るハイクアップ時でも、ベンチレーションが大きく開くことで、ウェア内に溜まった熱気を一気に外へと排出してくれます。
激しいラッセルを強いられる長時間のハイクアップであっても、衣服内がオーバーヒートすることなく常にドライな状態を保てるのは、暑がりな私にとって本当にありがたい性能です。また、大きな身体の動きを繰り返しても裾がめくれ上がってくる心配もありません。
さらに、生地自体が極めて頑丈に作られているため、ツリーランの最中に木の枝がバシバシと当たったり擦れたりしても、全く気にする必要がありません。ハイクアップを終えた後、アウターを着替えることなくそのまま滑降へとドロップインできるのです。
GLACIER HOODYの活躍の場は、厳冬期のバックカントリーだけにとどまりません。残雪期の雪山登山はもちろん、春や秋の登山においても極めて出番が多く、一着持っていて決して損はない逸品だと確信しています。

「TB JACKET」「TB PANT」、そして「GLACIER HOODY」。 これらを軸に据え、休憩時や停滞時の防寒着として「HPPE OVER HOODY」をバックパックのなかに忍ばせておけば、一冬のバックカントリーシーンを完璧に過ごすことができます。もうこれ以上、何を着ていくべきか頭を悩ませる必要はありません。
作り手と使い手が山で交わる場所──血の通った道具づくり
TETON BROS.というブランドの最大の強みは、作り手と使い手の「距離の近さ」にあると感じています。現場で製品を限界まで使い込んだ人間のダイレクトな意見や気づきが、そのまま次の製品開発へと反映されているのです。
シーズン中、私たちは何度もTBチームと共に山へ入り、実際のフィールドで同じ雪を踏み、行動を共にします。だからこそ、机上の言葉や文章だけでは表現しにくい細かな違和感や、ミリ単位の改善点を肌感覚で共有することができるのです。
数値やデータだけでは決して測ることのできない領域が、雪山には確実に存在します。 直接現場へ足を運び、共に遊び、本気で汗をかく──そのリアルな体験の積み重ねこそが、TETON BROS.のプロダクトに血を通わせているのだと思います。

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