気温差25℃と豪雨に見舞われたBackyard Ultra世界選手権におけるウェアリング戦略

2025年10月18日から、アメリカ・テネシー州ベルバックルで開催された「Big Dog’s Backyard Ultra Individual World Championship」に出場してきました。

本大会は、ランニングレースの形式「バックヤード」を生み出したラザレス・レイク(通称 Laz)が、自宅の裏庭で開催している、いわば Backyard Ultra の原点 ともいえるレースです。

2年に1度開催される世界選手権には、世界50カ国の代表ランナー、そしてランキング上位の記録保持者25名が集まり、「世界最強のバックヤードランナー」を決めます。
レースは 7:00〜18:00が裏庭のトレイル、18:00〜翌7:00がロードコース となる、昼夜でコースが切り替わる特徴的なレイアウトです。

裏庭のトレイルはアップダウンの激しい新設シングルトラックで、走るには高い出力が求められます。一方、夜間のロード区間は単調で、眠気との戦いになります。休まる時間帯はなく、常に集中力が問われました。

Backyard Ultraの考案者であるラザレス・レイク。彼の「HAPPY TIME」の掛け声とベルの音で毎時間のレースがスタートする

極端に変化する気象条件

2025年大会では、特に天候の変動が大きなポイントとなりました。

  • Day1(トレイル):気温約28℃、高湿度で蒸し暑い
  • 夜間:長時間の豪雨
  • Day2:大雨によりトレイル走行不可 → 全ループがロードに変更
  • 夜間:気温が5℃以下まで低下

最大気温差は約25℃。
豪雨と寒暖差の中では、ウェア選択と体温調整力がパフォーマンスを左右しました。


今回、私が採用した3つのキーウェア

気候変動に備えるため、以下の3点を組み合わせて使用しました。

それぞれを選んだ理由と使用感を紹介します。


調温・防臭・速乾性に優れる|Axio Lite Tee

ロングディスタンスのランレースで、私が最初に選ぶベースレイヤーが、ウール×ポリエステル混紡の Axio Lite Tee です。
Backyard Ultraで特に優れていると感じた点は以下の通りです。

  • 体温に合わせて暖かさを調整してくれる調温性。夜間でも汗冷えしにくい
  • ウールながら汗をかいてもドライ感を保ちやすい速乾性
  • ポリエステル単体よりも優れた防臭性により、長時間着用しても不快感がない

Axio Lite Teeについては、以下の記事でより詳しく紹介しています。
https://www.teton-bros.com/blogs/column/backyardultra-axiolite

ベースレイヤーとして活用したAxio Liteは寒暖差のある日中から夜間帯まで対応できる優れもの


動きやすさと高い防水透湿性|Tsurugi Lite Jacket

  • TETON BROS.の防水製品の中でも特にしなやかな Täsmä素材 を採用。雨中でも腕振りを妨げずストレスがない
  • 長時間の豪雨下でもウェア内部はほとんど濡れず、汗抜けもよく快適な状態を維持
  • 雨天時、レインとベースレイヤーを交換せず最後まで走り切れた点は、大きな安心材料でした。
    100mileクラスのトレイルレースでは、着脱のしやすさやザックの上からも羽織りやすいFeather Rain Jacketを使用しています。

大雨に降られても耐水性と透湿性に優れたTsurugi Lite Jacetの中は雨や汗による濡れを感じることが少なかった


動いても暑くない・組み合わせで保温力UP|Zero-G Fleece Crew

  • Octa素材をそのままミドルレイヤーに採用したアクティブインサレーション。通気性が高く、強度のあるアクティビティ中でも脱がずに走れる
  • 雨や風を通さないシェル(Tsurugi Lite JacketやWind River Hoodyなど)と組み合わせると、抜群の保温性を発揮
  • 裏面の起毛面は肌との接触面積が小さく、多少濡れても汗冷えしにくい

レース前の雨天テストでは、小雨程度なら Zero-G単体でも快適なまま走れることを確認しました。

そのまま着れば風通しがよく、シェルを羽織ると暖かさを生み出すOcta素材。万能性あるZero-G Fleeceで走る時間帯も多かった。


気象に合わせて組み合わせるレイヤリング戦略

  • 日中 → Axio Lite Teeのみ
  • 夜寒い → + Zero-G Fleece Crew
  • 雨 → + Tsurugi Lite Jacket
  • 走行中に暑い → TsurugiのアングルZIPでベンチレーションを調整し、それでも暑ければZero-Gを脱ぐ

アメリカには多くのトップスウェアを持ち込みましたが、レースを通して必要だったのは ほとんどこの3点のみでした。

単体でも高性能な Axio Lite / Octa / Täsmä は、組み合わせることでさらに幅広い気象・運動環境に対応できます。

Tsurugi Lite JacketとZero-G FleeceとAXIO LITEによるレイヤリング。ベンチレーションも使い、体温調整を行う。


世界選手権を終えて

レース結果は 54時間で終了。自己記録にも届かない悔しい結果ではありましたが、世界中のバックヤードランナーと同じ舞台に立ち、Lazの裏庭を走れたことはかけがえのない経験となりました。

また2年後、同じ場所で自分の力を最大限出し切れるレースができるよう、再び挑戦したいと強く思っています。

この記事を書いた人

小松 広人

小松 広人

ハナサケ株式会社
TETON BROS.のサイト構築・オンラインストア運用を担当。
ウルトラトレイルやバックヤードウルトラなど超長距離レースに出場しています。
2025年バックヤードウルトラ世界選手権に出場。
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