Teton Bros. x 人 -平野崇之 -〈後編〉

Teton Bros. ×人

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檜枝岐村でガイドカンパニー「楽」を立ち上げ、グリーンシーズンの尾瀬、さらにウインターシーズンの檜枝岐でのバックカントリーの楽しさを伝え続けてきた平野崇之。ひとりのスノーボーダーとしての思い、そして、楽のスタートから付き合いが始まり、年々深化し続けているティートンブロスとの関係とは。
[全2回中の後編/前編はこちら]

ひとりのスノーボーダーとして

――平野さん自身、プライベートで山に入られることも多いですか?

プライベート でもガイド仲間といっしょに山に入ります。
そういうときは、ゲストを連れて行ったことがないところ、未知のところにできるだけ行くようにしていますね。そうなるともちろん危険も出てくるんですが、そこは自分たちのトレーニングも兼ねて、ガイド仲間と協力し合ってなるべくリスクが減らせるように行動しています。

初めての場所に行くときは、ツアーとは全然気持ちが違いますよね。お客さんを連れて行くときは安全を重要視していますが、自分たちで行くときは冒険心。それが一番危ないとは思いますが、ちょっと頑張ってしまうんです。

行きたい場所、滑りたい場所を地図で探し、仲間と協力し合って未知のフィールドを楽しむ。

 

――冒険心、チャレンジ精神はまだまだ強いですか?

やっぱりありますよね。これまでずっとやってきたスノーボードは、まだ上手くなりたいという向上心はいまでもあります。
とはいえ、やっぱり年齢もあるので、無理はしすぎないように……。そのバランスはすごく大事にしています。
プライベートで行くときは攻めたい気持ちと無理はしちゃいけないという気持ちのせめぎあいです。でも、ガイドのときはそこまでの挑戦、無理は絶対にしない。そこは一番気を付けているところですね。

――お客さんと行くとき、ほかに意識していることはありますか?

やっぱり気持ちよく滑れるポイント、より安全に滑れる場所を探すことですね。お客さんははるばる檜枝岐まで来てくれているから、すごく印象に残るような斜面だったり、いい雪のポイントを滑ってもらいたい。そういう部分に一番気を使っているかもしれないです。
そのためにはお客さんが入る前のフィールドチェックが欠かせません。あとは、どういう雪が降っていて、どのような風が吹いているのかというのも、ここに住んでいるからわかります。
そこはやっぱりローカルの強い部分ですよね。

ツアーを安全に催行するためには、事前のフィールドチェックが欠かせない。

尾瀬の山小屋を守るための活動も

――最近では楽の活動の一環としてとして尾瀬の小屋の雪下ろしもしているそうですね。

冬の尾瀬は雪の問題があります。
シーズンの途中で小屋の雪下ろしをしないと、小屋が倒壊する恐れがあります。なので、いまは何軒かの小屋の雪下ろしをやらせてもらっています。

地元の人にとっても雪下ろしはハードルが高いんですよね。実は村民の方は意外と雪山での行動に慣れていなくて。
それで、私たちが行くタイミングで他の小屋も含めた山小屋の方も一緒に行くんです。道がわからないといった心配が結構あるので、なるべくそういう形にしています。
このままだと地元で雪下ろしをできる人が本当に少なくなっていってしまう、というのを肌で感じるので、これは楽の事業としてしっかりやっていかなきゃいけないと思っています。

どっさりと雪が積もった尾瀬小屋。例年2月ころに尾瀬に入り、雪下ろしを行なう。

ウェア=道具というティートンブロスの考え

――現在、楽のユニフォームとしてティートンブロスを着用されていますが、ティートンブロスとつながったのはいつごろですか?

もう楽を立ち上げる前の話ですね。南会津にあるスキー場で働いていたとき、ティートンブロス代表のノリさんが代理店として当時扱っていたブランドのウェアを着ていたので、なんとなくはノリさんという人物を知っていたんです。
そのあと新しいブランド、ティートンブロスを立ち上げるっていうのを知人から聞いて 、楽もちょうど立ち上がったタイミングが一緒だったのもあり、ユニフォームにしたいというのを東京まで直談判しに行ったのが最初の経緯ですね。

――そこから関係が始まったのですね。

事務所に行った時にそういう話をさせてもらったんですけど、まずはその前に一度自分が檜枝岐に足を運ぶ、という話をしてくれました。
それから檜枝岐で一緒に滑って、ノリさんもこの場所を気に入ってくれました。そこからさらにコミュニケーションを重ね、つながりは本当に深くなったんじゃないかなと。
いまでは毎年、檜枝岐に来てくれています。

一緒に山を滑り終えて宿へと戻る 平野とティートンブロスチーム

 

――檜枝岐で製品のフィールドテストもしているそうですね

檜枝岐はテストがしやすい環境です。
ティートンブロスのようにバックカントリーをメインとしたウェアを作る上で、やっぱり雪山を歩く行動、テストは必要ですが、檜枝岐の山域は最初から急登なので、早めに心拍数を上げられます。なので、ノリさんも「ウェアの透湿性などがテストしやすい 」と言っていました。

――平野さんは発売当初からTBジャケットを着られていますが、どのような印象でしたか?

ネオシェルを使ったTBジャケットは結構衝撃的でした。初めて着たときは不思議な感じでしたよね。寒くないっていう感覚。高い透湿性があったので、熱がこもらない。それはいままでにちょっと体感したことなかったので、「これはなんだろう?」と思った記憶がありますね。
いまでは当たり前にシェルの透湿性っていう言葉が出てきますけど、それを実際に体感できたのはすごく価値があるものだったと思います。

プロダクトに関してティートンブロスと意見を交換し合う。

 

――製品に対して自身のリクエストを伝えたりもしていますか?

着用しているときに気になった部分のフィードバックは積極的にしています。ノリさんと一緒に山に入ることも多いので、自分が行動している姿を見て、ノリさんが横で改善ポイントをメモしていることもありました。

―それが活かされているという印象は?

ものすごくあると思っています。それはやっぱり個人的にもうれしいというか、こういったものがほしい、こういう風に変えてほしいという自分の意見が商品に反映されるんです。そんな姿勢もティートンブロスの魅力のひとつだと思いますね。

平野の活動を通じてのフィードバックが、製品の改善にも活かされている。

 

――平野さんはティートンブロス以外にもいろいろなメーカーのウェアを着用されてきたと思うのですが、ティートンブロスの魅力はどんなところにあると感じていますか?

ティートンブロスはウェアを道具として見ているっていう部分が他のブランドにはない観点かなと思います。
それはつまり、人を守ってくれるものという意味。「守るために作っている」と言っているブランドで、これはティートンブロスの魅力のひとつだと思います。
あと、毎年のアップデートには目を引くものがありますね。本当に細かいところまで念入りに作り込んでいると感じます。着てみて若干もたついているところがあったりしても、翌年はなくなっている。私たちが着てみないとわからない、本当にちょっとしたアップデートですが、しっかり繊細なところまで作り込んでいると思います。

ブランドとして地域のためにできることを

――檜枝岐村とティートンブロスとの関係も年々深まっているみたいですね。

毎年のようにティートンブロスのスタッフ、代表のノリさんなどが来ていて、すっかり顔なじみになっています。檜枝岐村を彼らが応援してくれているというのが村民にも伝わってきているので、関係はすごくいいんじゃないでしょうかね。
2017年、檜枝岐村の独立100周年のときは、村民のためにティートンブロスが記念に新しいジャケットを作ってくれました。公民館にそのときの記念写真が飾られているんですが、みんなそのソフトシェルジャケットを着ています。
そこから檜枝岐の村民がティートンブロスというブランドをより身近に感じられるようになったと思います。

村政独立100周年記念のイベントにて。多くの村民が記念に作られたティートンブロスのジャケットを着用している。

 

最近では檜枝岐の村役場のユニフォームも作ってもらいました。
檜枝岐の役場というか、自治体、役所の考えとして、特定のブランドと仲良くなるのも……という意見をもらったことがあったんですが、その言葉はもうなくなりました。
檜枝岐のことをティートンブロスはしっかり考えていて、檜枝岐村としても応援してくれているというのがわかっている。このような良好な信頼関係ができ、自分にとってもうれしい限りです。

村役場のユニフォームもティートンブロスが手掛けた。

 

――楽とのコラボレーションや檜枝岐村のイベントへの協力も積極的にしているそうですね。

楽はイカ帽をコラボさせてもらったり、尾瀬小屋でもコラボアイテムを作ったりしています。ちょっとした地域貢献ではないんですけど、そういうことをやってくれているのは非常にありがたいことですよね。
あと、檜枝岐で開催されるスキー大会にも協賛してくれているんですが、それも今年で10 周年になるんです。新しいことをしながらもつながりは持続しているのが、非常に良い関係を保てている理由かなと。
これからもこの関係を大事にしつつ、さらに発信にも力を入れ、自分に関心を持ってもらうことでティートンブロスや檜枝岐に目を向ける人が増えてくれると良いなと思います。

平野崇之
1978年、茨城県出身。檜枝岐村に移住してガイドカンパニー「楽」を立ち上げ、グリーンシーズンは尾瀬のガイド、ウインターシーズンはバックカントリーガイドして活動。民宿・食堂「かどや」代表でもあり、村の郷土料理「裁ちそば」を打つそば職人という顔も持つ。
ティートンブロスのアンバサダーとしてプロダクトのテストやフィードバックなども行なう。

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