もっとも信頼し、 多くの時間を共にしている [ TB JACKET SE / TB PANT SE ]

ガイドインプレッション

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平野崇之

(福島県檜枝岐村在住、スノーボードガイド)


檜枝岐村は日本有数の豪雪地帯で、冬はとにかく雪が降る。村からの登り始めは急登だから、すぐに息が上がり、汗もかく。雪が深いほど期待が膨らむが、その分運動量も増え、心拍数も上がる。

そんな状況下でも必ずTB JACKET & PANT をチョイスする。私が着用し始めて10 シーズン以上になるが、もっとも信頼し、多くの時間を共にしてきた。
現在の段階ですでに改善点が見つからないほどの完成度の高いウェアなのだが、それでも、いまだ毎年のようにアップデートを続けている。自身の滑りも同じように進化させたい所だが、それはまた別の機会に話そう。

TB JACKET は、雪山でのあらゆる体の動きを想定したカッティングと、蒸れ感を排除する通気性が魅力だ。気温が高く天候が安定している時は別だが、雪山に入ってから下山するまで、まず脱ぐ事はない。
優れた通気性のおかげでウェア内は、常にドライ感を保ってくれるからだ。それでいて動きを制御されない。快適だからこそ、着続けていられるのだと思う。オーバーヒートしそうな場面でジャケットのベンチレーションを開けると、ウェア内の蒸れた暖気と、外の冷気が一気に入れ替わる。まるでサウナでほてった体のまま水風呂に飛び込んだときのようだ。
ベンチレーションは体の前面にあるから、大きく開口してもバックパックに干渉することもない。そんな状況ではグローブもハイク用に替えるが、外した厚手のグローブはインナーメッシュポケットに収納し、体温で温めることもできる。

袖口も大きく、グローブの取り外しも容易。まるで次々と現場で起こるライダーの行動パターンを先読みしているようだ。

ジャケットよりも多くの時間を共にしているのは、むしろTB パンツのほうかもしれない。大雪の後、腰まで埋まった雪をラッセルしながらの家の周りを除雪する際、これほど心強い味方もない。
パンツからビブを取り外せる機能は、Teton Bros. が最初だったと思う。これによる優位点は数々あるが、なかでも雪山での緊急事態の際に、ジャケットを脱がずにコトを行える点にも助けられている。
バックパックを背負って汗をかいた背中が接するビブの背面は、通気性のあるメッシュ生地。ビブとバックパックのショルダーベルトが干渉する部分と、ビブのサイド部をソフトシェルにしたことで、フィット感は一段とアップしている。 上半身よりも下半身の方が筋肉は大きく、関節の可動域が増えるのだが、それを全く感じさせない穿き心地。 豪雪のラッセル時に太ももを胸近くまで上げてもストレスはない。これは立体裁断によるものだが、ブーツ同様の前傾角度を付けている点も見逃せない。
外からは見えないところや、些細と思える箇所まで緻密に作り込まれているからこそ、動き続け疲れた身体に優しさすら感じることが出来るのかもしれない。

さあ今年も冬が来る。そして私はTB JACKET & PANTと共に山に向かうだろう。

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この記事を書いた人

平野 崇之

平野 崇之

福島県檜枝岐村在住。 夏季は尾瀬エリアでツアーガイド、冬季はガイドクラブ『楽』RAKUを運営しCATツアー、BCツアーガイドとして活動中。 檜枝岐村の郷土料理「裁ちそば」を打つそば職人としても有名。

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