2025.05.19
Teton Bros.のレイヤリングの考え方〈クライミング・マウンテンランニング〉
このコラムでは、クライミングとマウンテンランニングでのTeton Bros.のレイヤリング(2025 春夏製品)の一案を紹介します。
どの山域に行くか、行動時の天気、発汗量の違いなどによって個人それぞれの“快適さ”は異なります。各レイヤーの役割や製品の機能について知り、レイヤリングを考えるうえでの参考にしてみてください。
クライミングのレイヤリング
クライミングのレイヤリングでは、まずは体の動きを損なわず、どんな姿勢をとってもストレスを感じさせないことが重要。そのうえで、T シャツは吸汗速乾性の高い素材のもの、パンツはワイドクラックに膝まで突っ込んでも破れることがないタフな一本を。
また、クライミングのオンシーズンは暑い夏を避けた涼しい季節なので、レストやビレイ時のために保温や防風のための一枚は欠かせません。バックパック内で場所を取らない軽量コンパクトなダウンと風を防ぐウィンドシェル。なかでもROCK JACKETはハーネスのギアラックにフックしたまま脱ぎ着が可能で、マルチピッチには欠かせない一着です。
左上:Rock Jacket(Mens)
左下:Luft Jacket (Genderless)
右上:Vapor Pocket Tee(Mens / Womens)
右下:Glacier Lite Pant(Mens)
【SHELL】風を防ぐ
取付周辺は穏やかでも、高度を稼ぐほどに風の影響を受けやすいもの。特にマルチピッチクライミングでは、軽量で丈夫、パッカブルなウィンドシェルをハーネスのギアラックにフックしておくと重宝します。
Rock Jacketは高強度のHPPEをリップストップに使うことで、擦れや破れを気にせずクライミングに集中できるタフな一着です。肩関節の動きを妨げないラグランスリーブで、腕を上げたときにも裾がずり上がらないデザイン。カラビナループ付きのパッカブル仕様で、ハーネスにフックしたまま脱ぎ着が可能です。マルチピッチの強風下のビレイポイントで、風に飛ばされることなく着用できます。
【INSULATION】ビレイ時や休憩時に
手に汗をかかない涼しい季節ほど、クライミングは最盛期を迎えます。トライ前やトライを終えた後、仲間をビレイするときなどに、Tシャツの上からサッと袖を通せるライトウェイトダウンジャケットが活躍します。
Luft Jakcetは800フィルパワー撥水ダウンを使用した非常に軽くて保温性の高さが特徴のライトダウンです。軽量性と携行性を優先し、プルオーバーとしてデザイン。腹部にジッパーがないぶん着心地は軽やかで、同時にウェア全体の軽量化につながっています。
【BASE LAYER】上体の動きを損なわない
ギリギリの難度に挑んでいるときは、肌にまとうTシャツ1枚でも邪魔に思えるもの。そこでストレッチ性の高いベースレイヤーの出番です。汗をかいても体を冷やさない化繊で、岩との擦れに強い素材であればベターです。
今季、素材を変更したVaporシリーズは2種類のポリエステルを組み合わせてドライな肌触りと吸汗速乾性を両立。気温や湿度が高く発汗量が多い季節での快適性をさらに高めたベースレイヤーのシリーズです。
【PANT】丈夫であること
足を腰の位置まで上げてもストレスがなく、ワイドクラックに膝まで突っ込んでも破れることがない、そんなタフなパンツがクライミングではおすすめです。
温暖な春夏シーズンのクライミングを意識してデザインしたGlacier Lite Pantは動きやすさと耐久性を高次元で両立。極めて高い強度とストレッチ性も備える「Stretch Kevlar」がこれを可能にしました。ヒップから太ももにかけては余裕を持たせ、股下にガセットを設けて股関節のROM(可動域)を確保。膝の立体裁断と合わせてクライマーのムーブを妨げません。
マウンテンランニングのレイヤリング
登山やトレッキングと同じフィールドながら、走ることに特化したのがマウンテンランニングカテゴリー。
ベースレイヤーとショーツは、撥水性に優れる生地を採用し、汗を効果的に処理するELV1000シリーズ。風や小雨を防ぐウィンドシェルはポケットに収まるほどコンパクトになり、いつでもどこでも活躍します。
天候の不安がある山ではレインシェルは欠かせません。優れた防水通気性を併せ持ち、軽量で、体の回旋動作を妨げないTsurugi Lite Jacketは、多くのマウンテンランナーに愛用されています。
パンツは通気性に優れ、足さばきの良さが人気の防水通気素材のレインパンツをピックアップしています。
写真:左から)
Tsurugi Lite Jacket (Genderless)
Breath Pant (Genderless)
ELV1000 Non sleeve (Mens /Womens)
ELV1000 5.5in Hybrid Short (Mens)、WS ELV1000 Hybrid Short (Womens)
Wind River Hoody (Mens /Womens)
【SHELL】降雨対策も万全に
●Tsurugi Lite Jacket (Genderless)
山でのランニング中に本格的な降雨に見舞われた場合、やはりレインシェルの安心感は絶大です。
Teton Bros.のレインシェルのラインナップのなかで軽量且つ、通気性を備えて蒸れにくく、センターにジッパーがないことで生まれるしなやかな着心地を持つTsurugi Lite Jacket。また、Tsurugi Lite Jacketと同様の防水通気素材「Täsmä」を使用した、九分丈のマウンテンランニング用レインパンツBreath Pantは多くのマウンテンランナーに愛用されています。
Tsurugi Lite Jacketの最大の特徴である開口部の大きい斜めのベンチレーションが換気効率を高め、Breath Pantの動きやすさを追求した立体裁断とテーパードシルエットが雨のなかでのランニングを快適に、軽快にします。
【WIND SHELL】マルチに使える軽量防風シェル
春夏のベストセラーのウィンドシェルWind River Hoodyは走るうえでも多機能なアイテムです。適度に風を止め、多少の小雨を弾き、通気性とストレッチ性があり、パンツのポケットに収まるほどコンパクトになります。カニカルストレッチの薄手のナイロン生地はシャツやフリースの上に着てもストレスがなく肌寒い条件下では適度に保温します。登山、トレッキングをはじめとするアウトドアアクティビティのあらゆる局面で活躍します。
【BASE LAYER】汗をしっかり処理
●WS ELV1000 Non Sleeve (Women)
山を走るための、体のラインに沿ったシルエットのELV1000シリーズ。MENS/WOMENSともにストレスなく腕が振れます。素材は、ストレッチ性のある生地に超撥水加工を施したも
ので、かいた汗を生地表面から弾き落としてドライな着心地を維持します。汗を吸って拡散・蒸発させる従来のベースレイヤーとはまったく違い、運動強度の高いマウンテンランニングを楽しむ方々らも好評を得ています。
【SHORT】ポケットの収納力も大事
●ELV1000 5.5in Hybrid Short (Mens)
●WS ELV1000 Hybrid Short (Womens)
軽量性、ストレッチ性、耐久性を通常の生地よりも高めたTeton Bros.オリジナルの「PERTEX EQUILIBRIUM」をメインに採用したショーツのラインナップ。(ELV1000 5.5in Short、ELV1000 5.5in Hybrid Short、Scrambling Short)
そのなかでもヒップ部分を超撥水加工済みのタフなソフトシェル素材に変えて、動きやすさは損なわずに岩場でも安心して使える強度を持たせているのが、ELV1000 5.5in Hybrid Short。背面中央にウィンドシェルを入れられるジッパー付きポケット。両サイドの物を入れたまま動いても気にならない位置に地図やジェルが入るポケットを備えています。